横浜HARTクリニック

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いろんな思いを話してみませんか

こんにちは。

昨年の第1回目の緊急事態宣言からちょうど1年が経ちましたが、いかがお過ごしですか?コロナウィルス感染も未だ収束せず、不完全な感じの毎日ですね。

 

クリニックには日々いろいろなダイレクトメールやFAXによるセールスがあります。オンライン診療の案内、人材派遣、ホームページ制作の勧誘、コロナウィルス感染対策商品、サプリメントの販売などから、「グーグルに良くない書き込みがあるので消してあげます、良い書き込みを1件15,000円でしてあげます」というようなものまで。

 

あるいは企業から、新たな商品を開発したので販売、使用してくれるクリニックを探しているというものもあります。クリニックは企業の商品(検査)を販売するための窓口ではありません。その有効性が証明されていない商品(検査)をいかにも優れているように宣伝、実施することは、患者さんを惑わせることになり、企業やクリニックの責任でしょう。確かに、新しい検査が導入されると、わらにもすがりたい気持ちで、それを求める患者さんは多いです。

 

しかし、私はできるだけシンプルな治療を心がけ、最新といわれる検査や機器もほとんど導入していません。興味がないわけではなく、興味があるからこそ、それらに関する論文には目を通し、患者さんにとって本当に必要で結果を変えるのか、患者さんと生まれてくる子供がより幸せになるのかを考えて導入を判断しています。私が(遺伝学の)研究生活で学んだことは、生物が長い年月をかけて、その進化の過程で備えてきた身体機能はそう簡単には解明できないし、変えることもできないということです。しかし、逆にいえば、種の保存に関して、種を保存できるように身体は作られており、検査や技術に頼り過ぎてはいけないということです。

 

何か検査をしたから全てがわかるわけではありません。教科書に書いてあるような臨床経験は少ないものです。それぞれの方が皆異なる背景を持っています。自分自身の臨床経験による現場の判断の方が勝ることも多くあります。例えば、子宮内膜が薄いと着床しにくいと言われますが、薄くても胚に力があれば着床します。そのことは卵子提供による治療の方から学ばせてもらいましたし、胚は子宮環境が悪ければ子宮外妊娠(異所性妊娠)としてでも着床できる力を持っています。つまり、体外受精がうまくいくかどうかは大半が胚の力によります。そして残念ながら、胚(そのもととなる精子と卵子)を治すことはできません。ですから、良い精子と卵子が出会えるまで根気よく治療と向き合うことが必要で、患者さんがそうできるように努めています。

 

最近は、いろいろな検査や治療法に関する情報があふれ、患者さんからも質問されます。しかし上に書いたような理由で行っていない検査や治療について説明をするよりも、患者さんとは「不妊という状況をどのように受け止めていますか」とか、「治療とはどのように向き合っていくつもりですか」とか「もし治療がうまくいかず、夫婦間での子供を持つことをあきらめなければならないとしたらどうしますか」とか、医者として話したいことがたくさんあります。

 

記事監修
院長 後藤 哲也
経歴

東京大学医学部卒業

産婦人科研修医(東大附属病院分院、都立築地産院、国立習志野病院)

アメリカウィスコンシン大学高度生殖医療施設

イギリスロンドン大学大学院  医学博士(生殖遺伝学)

オーストラリアモナッシュ大学体外受精施設

東京HARTクリニック副院長
横浜HARTクリニック開業

資格

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医

日本生殖医学会認定生殖医療専門医

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