横浜市神奈川区鶴屋町にある横浜駅近くの不妊治療専門施設

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横浜HARTクリニックの内観

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当院の体外受精実績

おかげさまで開院から3年が経ちました。当院の主力治療である体外受精の成績も開院以来安定しています。もともと体外受精は、卵管に異常があって、女性の体内で精子と卵子が出会えない、卵管性不妊に対する不妊治療法としてスタートしました。その後男性側に原因がある不妊症に対して応用され、現在では原因がはっきりしないご夫婦に対しても行われるようになり、有効な不妊治療法として確立しています。
当院では、それぞれのご夫婦の不妊原因を考え、また治療に対するご希望をお聞きした上で、最適で安全な体外受精の方法をご提案しています。巷では、自然周期か刺激周期か、新鮮胚移植か凍結胚移植か、分割胚か胚盤胞か、など色々と議論がありますが、それぞれにメリット、デメリットがあります。これまでの私の臨床経験に照らして、効果と副作用の面から、その方に最も適した卵巣刺激方法や移植方法を決めています。

以下に、次の3項目についてお示しします。
(1)2017年直近5か月(2017年1月から5月)の採卵周期あたりの成績
(2)開院(2014年7月)から2017年5月末までの患者さんあたりの成績
(3)妊娠に至るまでの採卵回数について

(1)周期あたりの成績: 2017年1月から5月までの直近5か月


体外受精(IVF) 顕微授精(ICSI) 凍結胚盤胞移植
採卵周期数 85 87 79
女性平均年齢(歳) 37.0 38.0 35.4
受精率(%) 67 76 -
分割率(%) 96 96 -
胚盤胞到達率(%) 69 61 -
胚移植周期数 41 (48%, 41/85) 24 (28%, 24/87) 79
心拍陽性妊娠数 15 (37%, 15/41) 8 (33%, 8/24) 28 (35%, 28/79)
全胚凍結周期数 22 (26%, 22/85) 26 (30%, 26/87) -
キャンセル周期数 22 (26%, 22/85) 37 (42%, 37/87) 0

表に示した通り、採卵から5日後の「胚盤胞到達率」(IVF 69%、ICSI 61%)は通常の約30%を大きく上回っています。これは、ベストなタイミングで採卵を行い、温度やpHなどしっかりと管理された培養環境で受精卵1つ1つを優しく培養し、なるべく培養器の外へ出さないようにして、受精卵に対するストレスを軽減しているためであると考えます。

臨床成績では、新鮮胚移植(採卵した周期に胚を移植する)における移植あたりの心拍陽性妊娠率は、IVF で37%、ICSI で33% と、日本国内の平均を15% 近く上回っています。これは、受精卵と子宮の状態を適切に評価し、丁寧で確実な胚移植を行っている結果だと思います。また、30% 近く(IVF 26%、ICSI 30%)の周期で、新鮮胚移植を行わず全ての良い胚盤胞を凍結する方法(全胚凍結)を行っています。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクがある方や、今までに新鮮胚移植で着床した経験のない方が対象です。

新鮮胚移植も胚凍結も行えずに治療を終了せざるを得ない周期(キャンセル周期)が、IVFで26%、ICSIで42% あります。主な理由は、卵子が採取できなかったり、受精しても良い胚が育たなかったりするためです。ICSI でよりキャンセル率が高いのは、ICSIは本来男性因子に対する治療ですが、現在は男性因子よりも卵子側の原因に対して行われることが多く、女性の年齢が高い(平均38.0歳)ことにも表れています。

凍結胚移植については、胚に負担の少ない凍結液を使い、また胚が直接液体窒素に触れないようにして、より胚に優しい方法で凍結保存しています。移植79例(新鮮胚移植後の余剰凍結胚と全胚凍結した胚の合計)での妊娠率は35% と他施設と比較して低く見えるかもしれませんが、当院では新鮮胚移植を積極的に行っていてその妊娠率が高いため、凍結胚移植で妊娠する方の割合が相対的に減るためです(下記、「患者さんあたりの成績」もごらん下さい)。

(2)患者さんあたりの成績:開院(2014年7月)から2017年5月末まで

日本産科婦人科学会からは、上記(1)のように、通常、妊娠成績を治療「周期あたり」で示すようにいわれていますが、患者さんが知りたいのは「自分は妊娠できるのか」という「患者さんあたり」の妊娠率ではないでしょうか?つまり、採卵(1回または複数回)をして、新鮮胚移植、凍結胚移植によって、最終的に妊娠できるかどうかという数字です。そこで、当院で採卵を始めた時点での女性年齢をもとに、年齢層別に「患者さんあたり」の出産または産科へ転院された継続妊娠率を示すと下表のようになります。

女性年齢 人数 妊娠数 出産・継続妊娠率
34歳以下 89 47 53%
35-37歳 103 59 57%
38-39歳 60 31 52%
40-41歳 54 13 24%
42-43歳 38 3 8%
44歳以上 19 0 0%
合計 363 153 42%

全胚凍結をした方など、まだ得られた胚の全てを移植し終えていない方が含まれるため、実際の妊娠率はもう少し高くなると思われます。30代後半の方々の妊娠率が高いのは、体外で受精をさせることだけではなく、卵巣刺激による卵胞(卵子)の質の向上、凍結胚移植でのホルモン補充による子宮内膜環境の改善など、様々な要因が考えられます。治療としてはやや複雑に感じられる時があるかもしれませんが、患者さんが混乱することのないよう、スタッフ一同丁寧な説明を心がけています。不明、不安なことがあれば、遠慮せずに聞いて下さい。

治療の安全面については、出血、感染、入院を必要とするOHSSなどの副作用はこれまでのところ1例もありません。

(3)妊娠に至るまでの採卵回数について

上記(2)で出産または産科へ転院された153名の方について、採卵何回目で妊娠されたかを見てみると、下表のようになります。

採卵 人数(人) 割合(%)
1回目 100 65
2回目 30 20
3回目 11 7
4回目 6 4
5回目 5 3
6回目以降 1 1

「妊娠に至った方」についてみると、1回目の採卵(新鮮胚移植と凍結胚移植を含む)で妊娠された方が65%、すなわち3人に2人が当院初回の体外受精(顕微授精も含む)で妊娠しています。2回目が20%、3回目が7%、と90% 以上の方が3回目までの採卵で妊娠しています。体外受精の本来の適応である卵管因子または男性因子による不妊の方、卵巣刺激によって卵子の質が改善した方、着床因子による不妊が凍結胚移植によって解決した方などが、1回目の採卵で妊娠されていると思われます。2回目以降の採卵で妊娠された方の多くは、良い卵子が育つ生理周期の頻度が低いことなどが原因のために、複数回の採卵が必要であったと考えられます。

体外受精がうまくいくかどうかは、治療周期に良い卵子と精子が得られるかどうかにかかっています。女性の年齢が高くなると、良い卵子が育つ周期の割合がだんだん少なくなっていきますので、治療に選んだ周期に良い卵子が得られない可能性も高くなります。しかし、言い方を変えると、体外受精がうまくいかなかったとしても、卵管と精液所見が正常であれば、お休みの周期に良い卵子が排卵されて、タイミングや人工授精で妊娠するチャンスがあるということです。体外受精とその他の治療を組み合わせながら、1年以内に結果を出すつもりで一緒に頑張ってみましょう。

これまで、皆さんに安心して治療に臨んでいただけるように、できるだけ頻繁に臨床成績をアップデートしてきましたが、次第にクリニックのペースもできて妊娠率も安定しています。従って、今後は6か月を目途に、データのアップデートおよびより詳細な成績の公開を行っていきたいと思います。

当院の主治療である体外受精の成績が向上しつつあるのは、患者さん一人一人から何かしら学ばせていただくものがあるからです。患者さんに育ててもらっているという感謝の気持ちを忘れずに、一人でも多くの方に喜んでいただけるよう、たえず努力して参ります。

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