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卵子提供について

こんにちは。だんだんに春めいてきましたね。

今回は卵子提供についてお話ししましょう。

私はこれまでに、実際の卵子提供を実施したり、海外で卵子提供を受ける方達のお手伝いをしたり、主に姉妹間での卵子提供についてJISART倫理委員を務めたりと、いろいろな形で卵子提供に関わってきました。日本では、精子提供、卵子提供がきちんとしたオープンな形で議論されてこなかったことに問題がありますが、提供精子、卵子による不妊治療自体に問題があるわけではありません。実際、これまでに関わった方達の多くは様々なことに悩みながら責任を持って決断していかれました。

 

卵子提供による不妊治療で最も大切なことは、生まれてくる子供が幸せになることであり、不妊で悩むご夫婦が妊娠、出産という願いをかなえることではありません。授かった子供には、どのようにして生まれてきたのか(出自)について幼いころから正直に伝え(告知)、生じうる様々な葛藤ときちんと向き合って子育てをしてく覚悟が必要です。子供が「産んでくれてありがとう」、「生まれてきて良かった」と思える人生を送れるように子育てをしていかなければいけません。アメリカでは “wrongful life” といって、「どうして私を産んだのか」「こんな人生なら産んで欲しくなかった」と子どもが親を訴えるケースもあります。

 

一昨年前から、卵子提供支援団体のOD-NETといろいろ話をして、卵子提供による不妊治療を準備してきました。コロナウィルスの影響で人の移動が制限されたために卵子ドナーの方達の準備が遅れましたが、ようやく今年中には実施できそうなところまできました。OD-NETは匿名(誰かがわからない形)での卵子提供です。私自身は非匿名、すなわちドナーとレシピエントが面識を持ってお互いに人となりがわかる形での提供が良いと思っていて、クリニックのHPでも卵子ドナーを募集していますが、今のところ応募がありません。

 

以前のブログにも書きましたが、これからは精子提供、卵子提供だけでなく、胚提供、代理懐胎、LGBTの方達の妊娠・出産などヒトの生殖行動は多様化していくと思われます。単に法律やマニュアルを作れば済む問題ではなく、それぞれの事情をきちんと理解して、個々について医学的、社会的、倫理的に妥当かを子供の福祉を最優先に考えて判断していくことが大切です。ヒトが一人この世に生まれてくるということは素晴らしいことであり、医学的に関わるのであれば、医療の原点である、人を診るということを忘れてはいけません。

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