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子宮内膜日付診とERA

皆さん、こんにちは。

いかがお過ごしですか?コロナウィルスワクチン接種が始まりましたが、その効果と安全性についての情報が不十分で、どうもすっきりしないですね。

 

さて、今回はタイトルの通り、子宮内膜の日付診とERAについて書きます。どちらも、子宮内膜が受精卵を受け入れる準備状態(受容能)が整っているかどうかを検討する「手段」です。敢えて「検査」と書きませんが、それは検査といえるだけの確実性がないからです。ちなみに当院ではどちらも実施していません。

子宮内膜日付診とは、子宮内膜の状態が排卵日から何日目に相当するかを組織学的に評価したものです。70年ほど前にNoyes らは、排卵日から月経までの分泌期子宮内膜(腺及び間質)の変化を組織学的に1日刻みに記載しました。細部にわたり興味深いですが、現在では再現性が低いという理由で病理医の間ではあまり用いられず、初期、中期、後期分泌期の3段階評価くらいで良いと考えられています。私も以前はなかなか着床しない患者さんに行っていましたが、ホルモン補充周期における凍結融解胚移植で、子宮内膜の発育が「1日遅れている」、「2日遅れている」という報告に合わせて移植時期をずらしてもやはり着床せず、排卵周期に移植したらすんなりと着床したという経験以降やめました(以下も参照)。

 

ERA (endometrial receptivity analysis または array)とは、組織学的にではなく子宮内膜における約250個の遺伝子の発現を調べるものです。排卵日から数日後の着床時期の遺伝子発現パターンを調べて、それを着床しにくい女性と着床しやすい女性との間で比較することにより、子宮内膜の発育が何時間幅で遅れている、進んでいると評価するものです。上記の子宮内膜日付診と比較して、動的、機能的な評価法といわれていますが、ERAも確率的なものです。面白い論文があって(Fertililty and Sterility, 2021;115:1001-6) 、初回の凍結融解胚盤胞移植を受ける患者さんを2グループに分け、一方(81名、34.9歳)はERAを受けず固定されたプロトコール通りの日に移植し、他方(147名、36.9歳)はERAを受けて必要に応じて胚移植のタイミングをずらしました。ともにPGT-Aにより染色体が正常である胚盤胞を1個移植しました。出産率は55.6% と56.5% で差がなく、流産率も13.2% と15.2%と差がありませんでした。さらに興味深いのは、ERA を受けた患者さんの59.2% が「着床の最適な時期からずれている」と評価されたことです。

 

私は、内膜の発育のずれよりも、内膜の「質」が大切であると考えています。凍結胚移植のホルモン補充周期では、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類しか補えず、それでは子宮内膜の状態が不十分な方達がいるのであろうと思います。その場合は、自然周期または排卵誘発によって卵胞を発育させ、排卵後に黄体を作ることで、卵胞ホルモンと黄体ホルモン2種類以外に黄体から多くの物質が産生されて、子宮内膜の質を向上し、移植の日をずらさなくても着床するのであろうと考えられます。

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