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皆さん、こんにちは。朝晩めっきり涼しくなりましたね。コロナウィルス感染もまだ落ち着きませんが、いかがお過ごしでしょうか?
さて、巷では不妊治療の保険適応が議論されていますが、少子化対策と不妊治療の保険適応とは分けて考えるべきですね。
私の子供の頃は、身近に妊婦さんや赤ちゃんがいて、おそらく「赤ちゃん、可愛いな」と思う機会が多くあったと思うのです。結婚すれば自然に「子供が欲しい」と思う気持ちも芽生えたのではないでしょうか。しかし、晩婚化・少子化、女性の社会での活躍も進み、赤ちゃんに接する機会も減り、シンプルに「子供が欲しい」と思う女性が少なくなったのかもしれません。さらに、出産後の仕事の継続や、育児に関わる様々な事情を考えると、子供を持つということは人生の大きな決断を要することになりました。
ですから、まず少子化対策を考えるのであれば、産みたい、育てたいと思える社会にすることが必要で、育児休暇を充実させると共に、子供一人当たり、義務教育終了の中学卒業まで月々10万円程度支給してはどうでしょうか。
そして、不妊治療を援助するのであれば、保険適応は良い方法ではありません。体外受精について、私は以下の方法を提案します。
女性年齢37歳以下で、真に体外受精の医学的適応がある夫婦に対して、採卵3回まで、女性が希望する施設で治療を行い、かかった費用の全額を助成するのが良いと思います。医療機関は、その適応を報告し、国は妊娠率を確認して、妊娠率が一定基準を満たさなければ助成金を支払わないシステムが良いでしょう。そうすれば、医療機関も緊張感を持って治療に当たると思います。妊娠という結果に至っても至らなくても支払いが生じる治療だからこそ、患者さんには1回1回の治療を、自分にあった施設で、きちんと納得のいくように進めて欲しいと思います。
東京大学医学部卒業
産婦人科研修医(東大附属病院分院、都立築地産院、国立習志野病院)
アメリカウィスコンシン大学高度生殖医療施設
イギリスロンドン大学大学院 医学博士(生殖遺伝学)
オーストラリアモナッシュ大学体外受精施設
東京HARTクリニック副院長
横浜HARTクリニック開業
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
日本生殖医学会認定生殖医療専門医