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染色体が正常な受精卵の割合

体外受精・胚移植で、見た目はきれいな受精卵なのに、なかなか着床しない方はたくさんいらっしゃいます。すると、いつも「受精卵の問題なのか」あるいは「子宮の問題なのか」ということになります。

私は、よほど大きな子宮の問題がなければ、大半は「受精卵の問題」と考えています。日本では受精卵の着床前スクリーニング(PGS、最近は着床前検査、preimplantation genetic testing; PGTともいいます)が公式には認められていないので、どうしても海外のデータに頼ることになりますが、コンセンサスとしては以下の通りです。

胚盤胞まで育った受精卵の染色体(22対の常染色体とXY性染色体すべて)を調べてみると、正常な受精卵の割合は、女性年齢が30代前半で60%、30代後半で30-40%、40代になると20%以下です。この割合は5日目の胚盤胞でも、6日目の胚盤胞でも同じです。

さらに、染色体正常な胚盤胞を一旦凍結後、別周期に移植した場合の着床率は年齢に関わらず50-60%程度です。この理由は、染色体以外にも受精卵の力を左右する様々な条件(たとえば、ミトコンドリア)があるからです。

これらのデータから、1個ずつ胚盤胞を移植した場合の移植当りの妊娠率(= 着床率)は、女性年齢が30代前半で35%、30代後半で25%、40代では10%程度、ということになります。すなわち、30代前半では3個、30代後半では4個、40代では10個くらい移植する必要があるということです。もちろん最初に移植する胚で妊娠する方も多くいらっしゃいますが、もしうまくいかなかったとしても、あまり悲観的にならず、このくらいの個数移植する必要があるんだ、と考えてください。

よい受精卵を得ること、場合によっては凍結保存して貯めることが最大の目標です。採卵数の多い方少ない方、年齢の高い方低い方、流産経験のある方ない方など、皆さんの背景も異なりますから、どのような治療方針が良いかは十分に相談して決めるようにしています。

記事監修
院長 後藤 哲也
経歴

東京大学医学部卒業

産婦人科研修医(東大附属病院分院、都立築地産院、国立習志野病院)

アメリカウィスコンシン大学高度生殖医療施設

イギリスロンドン大学大学院  医学博士(生殖遺伝学)

オーストラリアモナッシュ大学体外受精施設

東京HARTクリニック副院長
横浜HARTクリニック開業

資格

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医

日本生殖医学会認定生殖医療専門医

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