横浜HARTクリニック

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卵子提供プログラムの現況について

皆さん、こんにちは。日中はまだ暑いですが、朝晩は大分過ごしやすくなりましたね。

 

今回は、横浜HARTクリニックにおける、卵子提供プログラムの現況をお話しします。当院で卵子提供による治療を始めて約2年になり、卵子をもらいたいという方(レシピエント希望の方)から多くのお問い合わせをいただいています。しかし、まだこれまでに卵子ドナーとマッチングして、実際に体外受精治療に進んだ方は一組だけです(ちなみに無事に出産に至っています)。

 

当院のホームページに書いてある通り、横浜HARTクリニックでは非匿名の卵子ドナーを募集していますが、残念ながら今のところ応募がありません。従って、OD-NETを通じてマッチングされた匿名卵子ドナーからの卵子提供のみ実施しています。これまでに、レシピエント希望のご夫婦、ドナー希望の女性、それぞれ10組(人)以上の方々にご来院いただきました。電話でのお問い合わせのみの方を含めればもっと多くなります。

 

では、なぜ多くの方が治療に進まなかった(進めなかった)のでしょうか?

理由は以下の通りです。

 

提供卵子による体外受精治療では、レシピエント女性が無病であったとしても、夫婦間の治療と比べて、妊娠高血圧症や異常出血などのリスクが数倍高くなります。さらに高齢(当院では年齢制限を設けています)であったり持病があったりすれば、産科的なリスクは一層高まります。これまでのレシピエント希望の方々は、そういった産科的リスクが高くなるような方が多く、時間をかけて話し合った結果、大半の方が当院での治療を辞退されました。

 

また、ドナー希望の方については、若くても卵巣機能が良くないと思われる方、つまり卵子を提供していただいても治療がうまくいかないと思われる方や、卵子の提供を骨髄の提供と同じ程度に考えていて、生まれてくる子供との将来の関係にまで思いが及んでいない方など、私達が責任を持ってドナーとして推薦しにくい方々が多かったからです。卵子提供が「匿名」である場合の難しさです。

 

ご夫婦間の治療で私達が一番に願う「生まれてくる子供の幸せ」を、卵子提供による治療ではより一層強く意識します。ですから、私達は出産、子育てを見据えて、レシピエント女性の身心の健康状態をしっかりと見定めます。また、レシピエントご夫婦に代わって、ドナー希望の方の身心の状態を厳しく見ています。卵子提供による治療は、技術があるから使うのではなく、将来の子供たちのために、可能な技術を誠実に謙虚に使ってはじめて価値が生じます。レシピエントご夫婦、ドナー女性、そして誰よりも生まれてくる子供が幸せで、後悔することのないように治療していただきたいと思います。

 

当院のレシピエント、ドナー基準を満たす方で、切に卵子提供による治療をご希望の方は、ぜひご相談ください。治療に進んでも進まなくても、話して良かったと思っていただけるよう対応いたします。

記事監修
院長 後藤 哲也
経歴

東京大学医学部卒業

産婦人科研修医(東大附属病院分院、都立築地産院、国立習志野病院)

アメリカウィスコンシン大学高度生殖医療施設

イギリスロンドン大学大学院  医学博士(生殖遺伝学)

オーストラリアモナッシュ大学体外受精施設

東京HARTクリニック副院長
横浜HARTクリニック開業

資格

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医

日本生殖医学会認定生殖医療専門医

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