当院では、現在、以下の治療を行っています。
- 体外受精
- 顕微授精
- 受精卵凍結保存
- 精子凍結保存
Treatment Guide
当院では、現在、以下の治療を行っています。
もともとは、卵管がつまっているために女性の体内で卵子と精子が出会えず、妊娠に至らないご夫婦のために開発された治療法でしたが、その後、男性因子、子宮内膜症、抗精子抗体のある方や原因不明不妊症の方にも適用されています。
当院では、原則、注射による卵巣刺激法を用いて複数の卵子を育ててから採卵を行います。
初回の体外受精では、採卵から2日後または3日後に受精卵(胚)を子宮内へ戻します(初期胚移植)。以前に初期胚移植をトライしたけれども妊娠に至らなかった方や、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の恐れのある方には、採卵から5-6日目に胚盤胞に育った胚を一度凍結保存してから別周期に移植する方法があります。
体外受精の妊娠成績については「当院の実績」をご覧ください。
運動精子の数が少ないと体外受精では受精しない可能性があります。通常、体外受精では、卵子1個の受精のために5-10万個の運動精子が必要です。その数に満たない場合、および運動精子の数が十分でも前回の体外受精で受精率が低かった場合には、顕微授精を行います。顕微授精とは、顕微鏡で観察しながら形の正常な運動精子を探し、1個の精子を細いガラスの針の中に吸引し、卵子の中に直接注入する方法です。受精率は向上しますが、最終的に胚が育つかどうかは卵子の力にもよります。
胚盤胞まで育った受精卵(胚)のみ凍結保存します。新鮮胚移植がうまく行かなかった場合、出産後お二人目を希望して来院された場合に移植します。また、新鮮胚移植を繰り返してもなかなか妊娠に至らない方や、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の恐れがある方には、全ての胚盤胞を凍結保存して、採卵とは別周期に移植することもあります。その場合には、排卵周期に移植する方法と、ホルモン補充周期に移植する方法があります。
胚の凍結保存可能期間については、理論的には長期間の保存が可能とされていますが、当院では当初の凍結保存期間は胚凍結日から3年間とさせていただきます。凍結保存期間内にご来院いただき手続きをしていただけば、凍結保存期間の延長も可能です。
採卵日に精液の採取が困難な方は、事前に精液を採取、凍結保存しておくことができます。保存期間は1年間とし、凍結保存した精子の使用に際しては、その都度ご夫婦の同意が必要です。凍結した精子は、融解に際して運動率が低下しますので、体外受精で使用する際には顕微授精を行います。