横浜HARTクリニック

〒221-0835 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町3-32-13 第2安田ビル7階

横浜HARTクリニック

当院について

About

当院の治療Our Treatment

当院は、卵巣刺激を用いた体外受精専門施設です。
体外受精は身近な治療になりましたが、その分不確かな情報が溢れています。
当院では医学的根拠に基づいたシンプルな治療を提供することで、患者さんに安心して治療を受けていただきたいと思っています。
体外受精へのステップアップをお考えの方、ほか施設で体外受精治療中で転院をお考えの方、ぜひご相談ください。

当院の特徴Features

特徴1

01.それぞれのご夫婦に最適な
治療方針(ロードマップ)を
ご提示します。

初診時にはゆっくりと時間をかけて話をお聞きしますので、ぜひご夫婦でご来院ください。ご夫婦が不安に思っていらっしゃることに耳を傾け、それぞれのご夫婦にとって最良と思われる治療をご提案します。不妊治療をつらいとお感じになる大きな原因は、妊娠できるのだろうか、どのくらい治療を続けなければいけないのだろうか、という先がはっきりしない不安です。そのような不安を軽減できるよう、治療のロードマップをお示しします。

特徴2

02.HARTグループで培った
最高レベルの治療を提供します。

広島HARTクリニックとの出会いから20年、東京HARTクリニックでの勤務が12年、常に世界最高レベルの知識と技術を目指して努力してきました。中でも、胚盤胞培養、胚のガラス化保存は日本でいち早く取り入れ実践してきたHARTグループが自信をもつ技術です。横浜HARTクリニックでも、これまで同様の治療レベルを提供し、さらに時代のニーズに合った治療を提供します。

特徴3

03.培養室(ラボ)内の
様子をご覧になれます。

培養室の壁の一部にガラス窓を設置しました。
精液を提出する窓口のすぐ横に設置しましたので、男性にも女性にも気軽に培養室内の様子をご覧いただくことができます。

特徴4

04.独立した胚移植室を設けました。

採卵やポリープ切除などを行う手術室とは別に胚移植室を設けました。受精卵を子宮に戻す手技(胚移植)は人工授精と同じで痛みを伴わず、麻酔も必要ありません。リラックスした状態で移植に臨めます。ご希望があればご主人の立ち会いも可能です。

当院の実績Performance

当院の体外受精実績

おかげさまで開院から約5年が経ちました。体外受精は本来、卵管に異常があって、女性の体内で精子と卵子が出会えない、卵管性不妊に対する不妊治療法としてスタートしました。その後男性側に原因がある不妊症に対して応用され、現在では原因がはっきりしないご夫婦に対しても行われるようになり、有効な不妊治療法として確立しています。
 当院では、それぞれのご夫婦の不妊原因を考え、また治療に対するご希望をお聞きした上で、最適で安全な体外受精の方法をご提案しています。巷では、自然周期か刺激周期か、新鮮胚移植か凍結胚移植か、分割胚か胚盤胞か、など色々と議論がありますが、それぞれにメリット、デメリットがあります。これまでの私の臨床経験に照らして、効果と副作用の面から、その方に最も適した卵巣刺激方法や移植方法を決めています。

以下に、次の3項目についてお示しします。
(1)2017年および2018年の「治療周期あたり」の成績
(2)開院(2014年7月)から2017年12月末までの「患者さんあたり」の成績
(3)妊娠に至るまでの採卵回数について

(1)「治療周期あたり」の成績: 2017年


体外受精(IVF) 顕微授精(ICSI) 凍結胚盤胞移植
採卵周期数 196 148 217
女性平均年齢(歳) 37.0 38.3 35.8
受精率(%) 72 74 -
分割率(%) 96 95 -
胚盤胞到達率(%) 69 60 -
胚移植周期数 83 (42%, 83/196) 44 (30%, 44/148) 217
心拍陽性妊娠数 31 (37%, 31/83) 18 (41%, 18/44) 75 (35%, 75/217)
全胚凍結周期数 74 (38%, 74/196) 42 (28%, 42/148) -
キャンセル周期数 39 (20%, 39/196) 62 (42%, 62/148) 0

「治療周期あたり」の成績: 2018年


体外受精(IVF) 顕微授精(ICSI) 凍結胚盤胞移植
採卵周期数 98 29 145
女性平均年齢(歳) 36.2 37.5 36.2
受精率(%) 75 70 -
分割率(%) 98 93 -
胚盤胞到達率(%) 66 59 -
胚移植周期数 45 (46%, 45/98) 5 (17%, 5/29) 145
心拍陽性妊娠数 11 (24%, 11/45) 1 (20%, 1/5) 56 (39%, 56/145)
全胚凍結周期数 34 (35%, 34/98) 13 (45%, 13/29) -
キャンセル周期数 19 (19%, 19/98) 11 (38%, 11/29) 0

2018年は培養室スタッフの入れ代わりがあり一時期採卵を止めていましたので、2017年と比較して採卵周期数が少なくなっていますが、2019年5月現在、本来の診療体制に戻っています。

表に示した通り、採卵から5日後の「胚盤胞到達率」(2017年 IVF 69%、ICSI 60%;2018年 IVF 66%、ICSI 59%)は通常の30-40%を大きく上回っています。これは、ベストなタイミングで採卵を行い、温度やpHなどしっかりと管理された培養環境で受精卵1つ1つを優しく培養し、なるべく培養器の外へ出さないようにして、受精卵に対するストレスを軽減しているためであると考えます。

臨床成績では、新鮮胚移植(採卵した周期に胚を移植する)における移植あたりの心拍陽性妊娠率は、2017年はIVF で37%、ICSI で41% と、日本国内の平均を15% 近く上回っています。これは、受精卵と子宮の状態を適切に評価し、丁寧で確実な胚移植を行っている結果だと思います。2018年はIVF 24%、ICSI 20%と低くなっていますが、凍結胚盤胞移植の妊娠率に差がない(2017年 35%、2018年 39%)ことから、技術的な問題ではなく分母(新鮮胚移植を行った人数)が小さいことによる変動と考えています。

また、新鮮胚移植を行わず全ての良い胚盤胞を凍結する方法(全胚凍結)を行った周期が、2017年はIVF 38%、ICSI 28%、2018年はIVF 35%、ICSI 45%ありました。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクがある方や、今までに新鮮胚移植で着床した経験のない方が対象です。

新鮮胚移植も胚凍結も行えずに治療を終了せざるを得ない周期(キャンセル周期)が、2017年はIVFで20%、ICSIで42%、2018年はIVFで19%、ICSIで38% あります。主な理由は、卵子が採取できなかったり、受精しても良い胚が育たなかったりするためです。ICSI でよりキャンセル率が高いのは、ICSIは本来男性因子に対する治療ですが、現在は男性因子よりも卵子側の原因に対して行われることが多く、女性の年齢が高い(2017年 平均38.3歳、2018年 平均37.5歳)ことにも表れています。

凍結胚移植については、胚に負担の少ない凍結液を使い、また胚が直接液体窒素に触れないようにして、より胚に優しい方法で凍結保存しています。妊娠率35%(2017年)、39%(2018年)は他施設と比較して低く見えるかもしれませんが、当院では新鮮胚移植を積極的に行っていてその妊娠率が高いため、凍結胚移植で妊娠する方の割合が相対的に減るからです(下記、「患者さんあたりの成績」もごらんください)。

(2)「患者さんあたり」の成績:開院(2014年7月)から2017年12月末まで

日本産科婦人科学会からは、上記(1)のように、通常、妊娠成績を治療「周期あたり」で示すようにいわれていますが、患者さんが知りたいのは「自分は妊娠できるのか」という「患者さんあたり」の妊娠率ではないでしょうか?つまり、採卵(1回または複数回)をして、新鮮胚移植、凍結胚移植によって、最終的に妊娠できるかどうかという数字です。そこで、当院で採卵を始めた時点での女性年齢をもとに、年齢層別に「患者さんあたり」の出産または産科へ転院された継続妊娠率を示すと下表のようになります。

女性年齢 人数 妊娠数 出産・継続妊娠率
34歳以下 110 68 62%
35-37歳 134 87 65%
38-39歳 72 37 51%
40-41歳 68 17 25%
42-43歳 44 3 7%
44歳以上 19 0 0%
合計 447 212 47%

全胚凍結をした方など、まだ得られた胚の全てを移植し終えていない方が含まれるため、実際の妊娠率はもう少し高くなると思われます。30代後半の方々の妊娠率が高いのは、体外で受精をさせることだけではなく、卵巣刺激による卵胞(卵子)の質の向上、凍結胚移植でのホルモン補充による子宮内膜環境の改善など、様々な要因が考えられます。治療としてはやや複雑に感じられる時があるかもしれませんが、患者さんが混乱することのないよう、スタッフ一同丁寧な説明を心がけています。不明、不安なことがあれば、遠慮せずに聞いてください。

治療の安全面については、これまでに約1,100周期の採卵を行いましたが、出血、感染による副作用はこれまでのところ1例もありません。入院を必要としたOHSSは1例だけありましたが、その方も1泊の入院で退院されました。

(3)妊娠に至るまでの採卵回数について

上記(2)のうち、2017年9月末までに出産または産科へ転院された185名の方について、採卵何回目で妊娠されたかを見てみると、下表のようになります。

採卵 人数(人) 割合(%)
1回目 120 65
2回目 33 18
3回目 17 9
4回目 9 5
5回目 5 3
6回目以降 1 1

「妊娠に至った方」についてみると、1回目の採卵(新鮮胚移植と凍結胚移植を含む)で妊娠された方が65%、すなわち3人に2人が当院初回の体外受精(顕微授精も含む)で妊娠しています。2回目が18%、3回目が9%、と90% 以上の方が3回目までの採卵で妊娠しています。体外受精の本来の適応である卵管因子または男性因子による不妊の方、卵巣刺激によって卵子の質が改善した方、着床因子による不妊が凍結胚移植によって解決した方などが、1回目の採卵で妊娠されていると思われます。2回目以降の採卵で妊娠された方の多くは、良い卵子が育つ生理周期の頻度が低いことなどが原因のために、複数回の採卵が必要であったと考えられます。

体外受精がうまくいくかどうかは、治療周期に良い卵子と精子が得られるかどうかにかかっています。女性の年齢が高くなると、良い卵子が育つ周期の割合がだんだん少なくなっていきますので、治療に選んだ周期に良い卵子が得られない可能性も高くなります。しかし、言い方を変えると、体外受精がうまくいかなかったとしても、卵管と精液所見が正常であれば、お休みの周期に良い卵子が排卵されて、タイミングや人工授精で妊娠するチャンスがあるということです。体外受精とその他の治療を組み合わせながら、1年以内に結果を出すつもりで一緒に頑張ってみましょう。

これからも当院の主治療である体外受精の治療成績を誠実に公開していきます。患者さん一人一人から必ず何かしら学ばせていただくものがあります。患者さんに育ててもらっているという感謝の気持ちを忘れずに、一人でも多くの方に喜んでいただけるよう、たえず努力して参ります。