横浜HARTクリニック

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目に見えない大切なもの

皆さん、こんにちは。

ようやく涼しくなってきましたね。過ごしやすくなりましたが、猛暑の疲れが出る時期でもあり、コロナに加えてインフルエンザも流行っていますので、引き続き体調には気を付けましょう。

 

開業時のHP(2014年、当時は文字が多い時代でした)のごあいさつに、「出産という結果につながっても、残念ながら出産という願いが叶わなくても、横浜HARTクリニックが最後のクリニックであって欲しいと思います」と書きました。この思いはもちろん今も変わりません。高い医療技術を提供するのはもちろんですが、それだけではなく、患者さん一人ひとりの気持ちを大切に、悔いのない治療を全力でサポートしたいという思いです。

 

当院を受診される方の多くは治療経験がおありです。以前にタイミング指導や人工授精を受けていたけれども諸事情で中断した方や、体外受精を何回もトライした方など。特に後者の方では、先進医療と呼ばれる検査や処置(ERA、タイムラプス、子宮内フローラ、2段階移植など)も一通りされていて、今後どうしていいかわからないという思いで受診されます。

 

そんな時、今更と思われるかもしれませんが、シンプルに基本に忠実な治療をご提案しています。何か特別なことをトライするわけではなく、一つ一つのステップを丁寧に確実に実施して、その足し算あるいは掛け算が結果につながるようにするのです。卵巣刺激は強すぎても弱すぎても良くありません。採卵は痛みなく安全に実施しなければいけません。媒精(授精)、胚の培養・凍結・融解では胚にできるだけストレスがかからないようにしなければなりません。胚移植は優しく短時間に行わなければいけません。子宮内膜の調整はその方に適した方法を選ばなくてはいけません。これらのどのステップも普段の診察の際にどれだけ集中して情報を集めるかにかかっています。

 

そのようなシンプルな治療方針が、転院前よりも良い結果につながる方が多いのは、得られる卵子の質が良いからで、その理由は私たちに対する「信頼」だと考えています。信頼は「安心感」につながり、安心して通うことは「ストレスの軽減」となり、緊張感が取れます。心身がリラックスすることで、血流を介して卵巣の緊張もほぐれ、良い卵子が得られるのではないでしょうか。信頼関係を築くためには時間を共有することです。お一人の予約枠に約30分の時間をお取りしているのもそのためです。さらに、診察の都度、「いくらかかるのだろう」という費用の不安をなくすため、定額費用を導入しています。

 

先日、ESHRE(ヨーロッパ生殖医学会)から、「付加的な検査、処置(add-ons)」についてのレビューが発表されました。タイムラプス、SEET法、子宮内膜スクラッチ、PGT-Aなど42項目について検討した結果、1項目(ヒアルロン酸入りの胚移植培養液)を除いて、全てその有効性、安全性に関するデータが不充分なため実施を推奨しないと結論しています。また同じくESHREからの、原因不明不妊症についてのガイドラインでは、心理学的なサポートを有効であると強く推奨しています。

 

私たちは、何もやっていないのではなくて、目に見えない大切なものを心を込めて提供しているのです。初診から終診までを通じた「治療体験」として提供します。それが妊娠の可能性を高めると信じているからです。「不妊治療なんてこんなもの」とあきらめている方はぜひ一度ご相談ください。一緒に可能性を考えてみましょう。

記事監修
院長 後藤 哲也
経歴

東京大学医学部卒業

産婦人科研修医(東大附属病院分院、都立築地産院、国立習志野病院)

アメリカウィスコンシン大学高度生殖医療施設

イギリスロンドン大学大学院  医学博士(生殖遺伝学)

オーストラリアモナッシュ大学体外受精施設

東京HARTクリニック副院長
横浜HARTクリニック開業

資格

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医

日本生殖医学会認定生殖医療専門医

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