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開院9周年を迎えました

皆さん、こんにちは。暑いですね。

 

今月7日、開院9周年を迎えました。ご通院いただいた方々には心より感謝申し上げます。また、日々の診療を支えていただいた関係者の方々にも厚くお礼申しあげます。

 

振り返れば、当然のことながら様々なことがありましたが、直近ではやはり卵子提供と体外受精の保険適用でしょうか。卵子提供は私達自らトライしたことであり、保険適用は期せずして生じた変化です。

 

卵子提供は、約2年にわたって、誠実にこつこつと取り組んだプログラムです。平良看護師長にはコーディネーターとして本当に根気強く頑張ってもらいました。日本国内で無償提供卵子による不妊治療が根付くかどうかを念頭に臨んだ取り組みでしたが、多くのドナーおよびレシピエント希望の方達とかかわる中で、さまざまな課題や問題点が浮き彫りになり、検討の末、今年初めに当院での卵子提供プログラムを終了することとしました。このことについては、今年5月29日付の平良看護師長のブログに詳しく記されていますのでご参照ください。

 

次いで、2022年4月からの体外受精への保険適用についてです。この件に関しては、私の考えをいろいろなところに書いてきました。保険診療を行うか、自費診療を継続するか、思案して院内で検討した結果、自費診療のみを選択して、今日まできました。その理由としては大きく2つあります。

 

1つ目は、不妊治療、特に体外受精を単に技術的な治療とは考えていないということです。採卵して、受精卵を移植すればよいというわけではなくて、不妊というクライシスに直面したご夫婦をトータルにサポートしたいと考えているからです。きちんと話を聞き、可能な限り不妊の原因を推測して説明する。そして、その原因に対してどんな治療法があるか(ないか)を一緒に考えていただく。十分に納得していただいた上で治療を始めていただくようにしています。このプロセスは、治療を継続するうえでとても重要で、時間を要するものです。保険診療では、この点が考慮されていないのです。

 

2つ目は、不妊の原因が卵子にある方が多いことです。すなわち、どの生理周期でも良い卵子が育つとは限らないのです。従って、採卵周期に選んだ生理周期にこそ貴重な良い卵子が育つかもしれないと思えば、保険診療の制約(超音波の回数や使用できる薬剤)があってはベストな治療が行えない可能性が出てきます。もちろん結果を確約はできませんが、それでも上記1つ目のプロセスで培った安心感の中でお互いに悔いのない治療行うことに意味があると思っています。

 

卵子提供にしても、自費診療にしても、いつも正しいことを行いたいと思ってやってきました。医学的にはもちろんのこと、倫理的にも、社会的にも、他の人から見て正しいと判断されるような診療を心がけてきました。治療に望むご夫婦と生まれてくる子供たちが幸せになれるよう、お手伝いを続けられたらなあ、と心から思います。時代が変わっても、この思いは変わりません。

記事監修
院長 後藤 哲也
経歴

東京大学医学部卒業

産婦人科研修医(東大附属病院分院、都立築地産院、国立習志野病院)

アメリカウィスコンシン大学高度生殖医療施設

イギリスロンドン大学大学院  医学博士(生殖遺伝学)

オーストラリアモナッシュ大学体外受精施設

東京HARTクリニック副院長
横浜HARTクリニック開業

資格

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医

日本生殖医学会認定生殖医療専門医

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