横浜HARTクリニック

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明日が今日より少しでも良い日でありますように

皆さん、こんにちは。少しずつですが、街に人や車が増えてきましたね。皆さんの生活が早く元通りに、あるいは以前よりもより幸せなものになることを心からお祈りします。

 

さて、2カ月ほど前に書いたHART Newsletter の依頼原稿が印刷されたようなので、以下に転載しておきます。お時間のある時にお読みください。

 

この原稿が印刷される頃には、コロナウィルスによる新型肺炎も少しは収まっているでしょうか。開業してもうすぐ6年になりますが、多くの方々に支えられて今日まできました。改めてお礼申し上げます。この6年間、不妊で悩むご夫婦を全人的に診るよう心がけてきました。ARTではとかく技術先行なところがありますが、治療経験がご夫婦にとっても、生まれてくる子供にとっても辛いものとならないように努力しています。本来、不妊治療とは、「愛するパートナーとの間に子供を持ちたいと切に願う夫婦の卵子と精子が出会えるようにして、受精卵が子宮に着床できる環境を作ること」だと思っています。とてもシンプルなはずなのですが、近年様々な”add-on”(付加的な検査・治療)が現れ、患者さんの多くはその情報に困惑しているのではないでしょうか。これらadd-onのいずれもまだその有効性は証明されていません。

 

現在、日本で最も熱心に行われていることは受精卵の染色体検査(PGT-A)ですが、これもまだ、妊娠率(出産率)の向上や流産率の減少に貢献するか結論が出ていません。おそらく胚から細胞を採取すること(胚生検)の胚への侵襲によるのでしょうが、女性年齢が37歳位までなら、PGT-Aを実施しない方が妊娠率が高いという報告も散見されます。妊娠率も上がらず、流産率も減らないとなると、PGT-Aが確実にできることは、出産にいたる染色体異常、すなわち13番、18番、および21番トリソミーを診断することになります。これは、妊娠初期に母体採血で行う非侵襲的出生前診断(NIPT)と同じです。どんどん検査が増えて、どれもしないといけないような雰囲気になると、治療も息苦しくなりますね。さらに、妊娠に備えて身体を整えましょうというプレコンセプションケア、病気の原因の一つは母親の胎内環境にあると考えるBarker仮説など、妊娠、出産を取り巻く状況は女性にとって窮屈なものになりつつあります。もっとシンプルで息苦しくない不妊治療に戻ることはもうできないのでしょうか?

記事監修
院長 後藤 哲也
経歴

東京大学医学部卒業

産婦人科研修医(東大附属病院分院、都立築地産院、国立習志野病院)

アメリカウィスコンシン大学高度生殖医療施設

イギリスロンドン大学大学院  医学博士(生殖遺伝学)

オーストラリアモナッシュ大学体外受精施設

東京HARTクリニック副院長
横浜HARTクリニック開業

資格

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医

日本生殖医学会認定生殖医療専門医

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