暑中お見舞い申し上げます
- 2016年7月31日
- 院長
暑くなってきましたが、皆さん、いかがお過ごしですか?
私は、先週父の一周忌を終えました。直前のブログで開院2周年のことを書きましたが、父の死から1年という別の時間軸で振り返ってみると、見えなかったものが見えてくることもあり、人生というのは時間と空間が何重にも重なり合った深みのあるものなんだな、と改めて感じます。
さて、当院処置室の壁にある大きなコルクボードをご存知でしょうか?
お察しの方も多いと思いますが、出産報告と共に送っていただくことが多い赤ちゃんの写真を貼るために昨年末に設置したものです。院内に写真を貼ることに対しては、賛成、反対両意見があり、それぞれのクリニックが自分たちの判断で決めていますが、私は貼りたいと思っています。その理由は、以下の通りです。
私がこれまで関わってきた(東京、横浜HARTの)患者さんで写真を送ってくれる方の中に、「可愛いでしょう」という単なる自慢のために送ってくれる方はまずいません。殆どの方の文章から、「治療中はいろいろと辛いこともありましたが、ようやく出産までたどり着きました。子育てはまた不安でいっぱいですが、様々な方の応援で授かった命を責任を持って育てていきます」という決意が読み取れます。
不妊治療中は、妊娠中の方や子供連れの方を見かけると辛くなることも多いと思います。でも、誰の子供であっても、この世に生まれてきた子供の全てを愛しいと思っていただきたいし、少なくとも、同じ横浜HARTクリニックに通った仲間(同志)が送ってくれた写真の赤ちゃんの誕生を祝福してあげたいと思うのですが、私の驕りでしょうか?
クリニックの診療理念の7にある「社会貢献」。私たちが日々行う診療で力になれる方の数は微々たるものかもしれません。しかし、世界中で人の命が簡単に奪われてしまう時代に、生殖医療を通じて、一つ一つの命の尊さを皆さんと共有していきたいと思います。
いつから写真を掲示するかは未定ですが、ご意見があればぜひ院内設置の「ご意見箱」へ投書頂きますようお願いします。