私はやはり現場主義ですね
- 2017年11月5日
- 院長
最近は、医師の資格を取った後に、ビジネス界や政治の世界へ転身されるドクターの方も見受けます。おそらく、個々の患者さんを診るよりも、社会全体に働きかけることで医療界を変え、結果的により多くの患者さんのためになろうと考えてのことなのでしょうね。
医療界も情報公開が進み、医療従事者だけでなく一般の方々も参加して様々な議論が行われるようになり、いろいろな方面から医療を考え、社会のニーズに応えられるよう医療を進化させていくのは必要であり重要なことだと思います。
私自身はどのような立場をとるかと聞かれれば、やはり日々の診療をコツコツと続けていくことを選びます。そもそも目の前の苦しむ人の役に立ちたくて医者になりましたし、以下のような理由でやはり一人一人の方を丁寧に診療していくことが私には合っていると思います。
(1) 細かい作業が好きで比較的手先が器用
(2) ヒトも含めて生き物が生き、次の世代を生み出すという事実に日々感動する
(3) 人の個別な喜びや悲しみに寄り添いたい
日々の診療行為は地味に見えます。歌手がコンサート会場に3万人のファンを動員して感動を与えるような華々しさはありません。でも、目の前の患者さん一人一人と向き合う毎日を積み重ねれば、いつかはそれなりの人数の方のためになるのではないかと思い、毎日診療を続けています。
私が現場を離れる時は、自分が目指すベストな診療が行えなくなって患者さんに申し訳ないと思うようになった時か、私と理念を共有する後継のドクターやナースが育って自分の役目は終わったと思えるようになった時でしょうかね。