当院が最後のクリニックであって欲しい
- 2018年2月18日
- 院長
皆さん元気にお過ごしですか?
早いもので、2018年も2月下旬になりました。今年から凍結胚移植の時間をお昼前から午後に移動したり、精液の受け取り手順を変更したり、と診療システムを変えました。外来診療が少しでもより効率的に運営でき、皆さんの待ち時間も減るようにとの思いからです。それでも、特に今月は来院される方の数が多いので、相変わらずお待たせする日もありますが、皆さんのご理解とご協力のおかげで、妊娠成績は変わらずホッとしています。
もう1つ大きな変更は、しばらくの間タイミング性交指導をご希望の方の初診予約を見合わせることです。理由は、クリニックも4年目に入り、お二人目を希望して再来院される方などもいて、通院される患者さんの数が増え、初診予約数を絞る必要が出てきたためです。私は不妊に悩む方々ときちんと向き合い、妊娠できても、妊娠を諦める選択をすることになっても、横浜HARTクリニックが最後のクリニックとなるような、「横浜HARTクリニックに通って良かった」と言っていただけるような寄り添い方をしたくて開業しました。ですから患者さんの数を制限せざるを得ないとなると、やはり体外受精治療をされる方々との時間を確保したいと思います。その治療効果と限界を医学的に正しく説明して、十分に納得していただいた上で、ご夫婦自身が決断して、治療を受け、その結果をきちんと受け止めていただきたいと考えています。
思い描いていたように妊娠に至らない、という最大級の危機に直面したご夫婦に、一般的で表面的な治療を提供したくありません。それぞれのご夫婦の思いをゆっくり十分にお聞きして、最善の治療を心を込めて提供したい。不妊治療に限らず、医療の役割には、その人の目の前の悩みや苦しみを取り除くことだけではなく、医療行為が終了した後のその人の人生をどれだけ豊かなものにできるか、も含まれるはずです。不妊治療を通じて出会ったご夫婦の心に触れる努力をすること、これだけは私が開院時から決して譲れない理念です。