2019年も残りわずかになりました
- 2019年12月25日
- 院長
2019年も残りわずかになりましたが、皆さんいかがお過ごしですか?
今年通院していただいた方々には改めて厚くお礼申し上げます。新体制で臨んだ1年もあっという間に過ぎた感じです。初心に返って一つ一つの仕事の意味を考えながらより丁寧に行うことを心掛けました。今年はそれぞれのご夫婦に十分な時間がさけるよう治療周期数を調整して、約150周期の採卵(体外受精および顕微授精)と約140周期の凍結胚移植を実施しました。詳細は来年データが揃った時点でお示ししますが、今年1月から10月までの成績を、2017年、2018年のデータとともに下に示します。体外受精、顕微授精、凍結胚移植、いずれも2017年と同程度の結果です。
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体外受精を専門としたクリニックですから体外受精の成績をお示ししますが、体外受精も不妊治療のひとつに過ぎません。培養業務も昔のような名人芸や特殊な能力を必要とすることもなくなりました。培養液は市販されているものを使用し、顕微授精に使う針も自作することはなく商品化されています。着床前診断、子宮内膜の着床能診断、細菌叢診断など種々の検査も、その有用性はこれから検証されていくでしょう(これら付随的検査を英語圏では add-on と呼んでいます)。スタッフブログで平良看護師長も書いているように、患者さんには過多な情報に振り回されることなく、必要なことは正しく考え悩んで、質の高いシンプルな治療を受けていただきたいと思います。
知識や技術に溺れることなく、様々な人生背景を持つ患者さんという生身の人間と、個性を持って一人の人間として生きていく受精卵を大切の思う心を持って診療を続けていきたいと思います。年間出生数が大きく減少している今、まずは子供を持ちたいと思えるような社会であって欲しい、不妊治療も人間性を忘れない治療であって欲しいと心から願います。